Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
ことうのおに
孤島の鬼
江戸川 乱歩
Lesen Sie 孤島の鬼 (ことうのおに) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 181.795 Zeichen · 359 Bildschirme
といった観を呈していた。町内が狭い所へ、どの家からも、二三人の人が門口へ出て居るので、一入騒ぎが大きく見えた。
兇行のあったのは、後に警察医の検診によって、午前の三時頃ということが分ったが、兇行の理由と見做すべき事柄は、やや曖昧にしか分らなかった。初代の居間は、大して取乱した様子もなく、箪笥なんかにも異状はなかったが、段々検べて行くと初代の母親は二つの品物の紛失していることに気附いた。其一つは初代がいつも持っていた手提袋で、その中には丁度貰ったばかりの月給が入っていた。その前夜少しごたごたしたことがあったので、それを袋から出す隙もなく、初代の机の上に置いたままになっていた筈だと母親は云うのだ。
これだけの事実によって判断すると、この事件は、何者かが、多分夜盗の類であったに相違ないが、初代の居間に忍び込んで、予め目星をつけ置いた月給入の手提袋を盗み去ろうとした時、初代が目を覚まして声を立てるか何かしたので、うろたえた賊が所持の短刀で初代を刺し、そのまま手提袋を持って逃亡した。という風に想像することが出来た。母親がその騒ぎに気附かなんだのは少々変であるが、前にも述べた通り初代の寝間と母親の寝間とが離れていたこと、母親は耳が遠い上にその夜は殊に疲れて熟睡していたことなど考えると、無理もないことであった。