Japanische Klassiker mit Furigana
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いえ
家
島崎 藤村
Lesen Sie 家 (いえ) von 島崎 藤村 (しまざきとうそん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 126.748 Zeichen · 254 Bildschirme
二
を造って置いてくれた。彼は家附の支配人の手から、退屈な事業を受取ってみて、はじめて先祖の畏敬すべきことを知ったのである。
「丁度正太が自分の若い時だ」と達雄は自分で自分に言った。「いや、自分以上の空想を抱いて、この家を壊しかけているのだ」と思った。彼は、自分の子が自分の自由に成らないことを考えて、その晩は定時より早く、可慨しそうに寐床へ入った。家のものが皆な寝た頃、お種は雪洞を点して表座敷の方へ見に行った。三吉と直樹とは最早枕を並べて眠っていたが、まだ正太は帰らなかった。お種は表庭から門のところへ出て、押せば潜り戸の開くようにして置いた。厳しい表庭の戸締も掛金だけ掛けずに置いたは、可愛い子の為であった。
二
大森林に連続いた谷間の町でも、さすがに暑い日は有った。三吉は橋本の表座敷に籠って、一夏かかって若い思想を纏めようとしていた。姉は仕事に疲れた弟を慰めようとして、暇のある時は、この家に伝わる陶器、漆器、香具の類などを出して来て見せた。ある日、お種は大きな鍵を手にしながら、裏の土蔵の方へ弟を導いて行った。
高い白壁の隣には、丁度物置蔵と反対の位置に、屋根の低い味噌蔵がある。