Japanische Klassiker mit Furigana
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ずいひつ よせばやし
寄席囃子 正岡容寄席随筆集
正岡 容
Lesen Sie 寄席囃子 正岡容寄席随筆集 (ずいひつ よせばやし) von 正岡 容 (まさおかいるる) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 112.259 Zeichen · 222 Bildschirme
すなわち今の女房である。
私と同じくのざらしとなるかと危まれた日本太郎も、花街にあった娘に良縁があり、どうやらいっぱしの楽隠居になって老後安楽でいるとか、あるいはもうめでたく一生をおわったとか聞いている。わが身に引きくらべてもこの畸人の晩年だけは、安らかなれと祈りたい心持ちでいっぱいである。
それにしても再び言うが日本太郎、何が動機でああいう大べら棒な芸を演るようになり、また数奇な一生を経たのだろう。そのうち左楽老人にでも、とっくりと聴いて見たいと思っている。よほど、小説的な前半生があるのかもしれない。
さて宝塚から新国劇へと転じたかつての婚約者には十日ほど前、街上、ゆくりなくもめぐりあった。私より二つ年上だったから四十三歳になるのだろうその人は、近頃あまりいい精神生活ではないのだろう、小肥りなくせにへんに佗びしくなってしまっていて、自ら勢い立っていたあの頃のおもかげは見るよしもなく、春曇りの午後、佗びしく私は、四谷、さる街の十字路で右左に別れてはきたことである。