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Japanische Klassiker mit Furigana

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ずいひつ よせばやし

寄席囃子 正岡容寄席随筆集

正岡 容

Lesen Sie 寄席囃子 正岡容寄席随筆集 (ずいひつ よせばやし) von 正岡 容 (まさおかいるる) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 112.259 Zeichen · 222 Bildschirme

Aozora Bunko

千古の危急を救ってやったここの主人からは御礼の百万遍も言ってもらおうとふン反り返っていたら、あに図らんや、とたんにコック場の方から出てきた主人の機嫌がすこぶるよくない。そうして、言った。

「もしその蛇を持ってるお客さん、余計な真似をしちゃ困るじゃないか。今の若い衆から、うちはいまだお勘定もらってねぇんだ。お前さんあの人の分もいっしょに払ってっておくんなさい」

「…………」

この日本太郎、『寄席囃子』の中の随筆では娼妓上がりの娘にいい旦那ができ、晩年すこぶる幸福と書いたのだが、そののち古川緑波君その他の話を総合してみるとやはり、それはまちがいでどうやら晩年は悲惨だったらしい。私は衷心、この説の誤聞であることを祈ってやまないが、それにしても彼が死んでからもう何年になることだろう。歴史は繰り返す。私は最前からこの短い文章の中で二度もこの言葉を記したけれど、わが日本太郎のごとき存在だけはついにそののち今日まで寄席の歴史の中へ再びとは生まれてこなかった。恐らく今後悠久にああしたよきげてものは、再生してこないのではなかろうか。