Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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かんえいあいあいがさ

寛永相合傘

林 不忘

Lesen Sie 寛永相合傘 (かんえいあいあいがさ) von 林 不忘 (はやしふぼう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 7.530 Zeichen · 15 Bildschirme

Aozora Bunko

「なるほど。言わるるとおり乱れは乱れじゃが、ちと逆心が見える。拙者の観るところ、どうも青江物じゃな、これは。」

「しかし――。」

甚吾左衛門が口をとんがらせる。

「しかし――。」

と十郎兵衛も負けてはいない。が、一歩譲る気になって、

「しかし――何じゃ?」

「しかし、」甚吾がつづける。「しかし、刃文と言い、さまで古からぬ切込みのあんばいと言い、何とあってもここは粟田口、しかも国光あたりと踏むが、まず恰好と存ずる。」

しきりに難かしい論判をしている。

寛永三年春。さくらも今日明日が見ごろというある日の午後だ。

鉄砲洲の蔵屋敷に、尾州家江戸詰めの藩士が、友だちだけ寄りあって、刀剣眼利の会を開いている。人斬庖丁を中にお国者が眼に角を立てるんだから、この席上に間違いの端を発したのも、あながちいわれがないでもない。

戦国の余風を受けて殺伐な世だ。そこへ持ってきて、武士の生活にようやく落着きと余裕ができかけているから、ちょっぴり風流気もまじって、多勢集まって刀を捻くって、たがいに鑑定眼を誇りあうことが流行る。これへ顔を出すことは、武士のたしなみの一つとさえなっていた。