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Japanische Klassiker mit Furigana

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どんぐり

寺田寅彦随筆集 第一巻

寺田 寅彦

Lesen Sie 寺田寅彦随筆集 第一巻 (どんぐり) von 寺田 寅彦 (てらだとらひこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 203.161 Zeichen · 412 Bildschirme

Aozora Bunko

球根

九月中旬の事であった。ある日の昼ごろ堅吉の宅へ一封の小包郵便が届いた。大形の茶袋ぐらいの大きさと格好をした紙包みの上に、ボール紙の切れが縛りつけて、それにあて名が書いてあったが、差出人はだれだかわからなかった。つたない手跡に見覚えもなかった。紙包みを破って見ると、まだ新しい黄木綿の袋が出て来た。中にはどんぐりか椎の実でもはいっているような触感があった。袋の口をあけてのぞいて見ると実際それくらいの大きさの何かの球根らしいものがいっぱいはいっている。一握り取り出して包み紙の上に並べて点検しながらも、これはなんだろうと考えていた。

里芋の子のような肌合をしていたが、形はそれよりはもっと細長くとがっている。そして細かい棕櫚の毛で編んだ帽子とでもいったようなものをかぶっている。指でつまむとその帽子がそのままですぽりと脱け落ちた。芋の横腹から突き出した子芋をつけているのもたくさんあった。

子供らが見つけてやって来ていじり回した。一つ一つ「帽子」を脱ぎ取って縁側へ並べたり子芋の突起を鼻に見立てて真書き筆でキューピーの顔をかき上げるものもあった。

何か西洋草花の球根だろうと思ったが、なんだかまるで見当がつかなかった。