Japanische Klassiker mit Furigana
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あひるとさる
寺田寅彦随筆集 第五巻
寺田 寅彦
Lesen Sie 寺田寅彦随筆集 第五巻 (あひるとさる) von 寺田 寅彦 (てらだとらひこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 194.515 Zeichen · 389 Bildschirme
そこへ人夫が机や椅子を運び出しに来る。
ここらの呼吸はたいそういい。しかし、おかしいことには、これと同日同所で見せられたアメリカ映画「流行の王様」に、やはり同様に破産した事務所の家具が運び出される滑稽な光景がある。人夫がヒーローの帽子を失敬しようとする点まで全く同工異曲である。これは偶然なのか、それともプログラム編成者の皮肉なのか不明である。
凡児が父の「のんきなトーさん」と「隣の大将」とを上野駅で迎える場面は、どうも少し灰汁が強すぎてあまり愉快でない。しかし、マダムもろ子の家の応接間で堅くなっていると前面の食堂の扉がすうと両方に開いて美しく飾られたテーブルが見える、あの部分の「呼吸」が非常によくできている。これは、映画に特有な「呼吸のおもしろみ」であって、分析的には説明のしにくいものである。
食卓での四人それぞれの表情もわりに自然で気持ちがいい。この映画でいちばん成効しているのはおそらくこの前後の少しのところである。しかし、凡児一行が大島へ行ってからはどうも失敗である。全体が冗長すぎるばかりでなく、画面の推移の呼吸がちっとも生きていない。
もろ子がかんしゃくを起こして猿を引っぱたくところだけが不思議に生きている。