Japanische Klassiker mit Furigana
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あひるとさる
寺田寅彦随筆集 第五巻
寺田 寅彦
Lesen Sie 寺田寅彦随筆集 第五巻 (あひるとさる) von 寺田 寅彦 (てらだとらひこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 194.515 Zeichen · 389 Bildschirme
おそらく「千曲川のスケッチ」らしい。もう一度ああいう年ごろになってみたいといったような気もするのであった。
園内の渓谷に渡した釣り橋を渡って行くとき向こうから来た浴衣姿の青年の片手にさげていたのも、どうもやはり「千曲川のスケッチ」らしい。絵日傘をさした田舎くさいドイツ人夫婦が恐ろしくおおぜいの子供をつれて谷を見おろしていた。
動物園がある。熊にせんべいを買って口の中へ投げ込んでやる。口をいっぱいにあいて下へ落ちたせんべいのありうる可能性などは考えないで悠然として次のを待っている姿は罪のないものである。自分らと並んで見物していた信州人らしいおじさんが連れの男にこの熊は「人格」が高いとかなんとかいうような話をしていた。熊の人格も珍しい。
猿の檻はどこの国でもいちばん人気がある。中に一匹腰が抜けて足の立たないのがいて、他の仲間のような活動を断念してたいていいつも小屋の屋根の上でごろごろしている。それがどうかして時おり移動したくなるとひょいと逆立ちをして麻痺した腰とあと足を空中高くさし上げてそうして前足で自由に歩いて行く。さすがに猿だけのことはあるのであるが、とにかくこれもオリジナルである。