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Japanische Klassiker mit Furigana

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あきかぜとはは

尾崎士郎短篇集

尾崎 士郎

Lesen Sie 尾崎士郎短篇集 (あきかぜとはは) von 尾崎 士郎 (おざきしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 108.032 Zeichen · 216 Bildschirme

Aozora Bunko

階段をおりて玄関脇へ出ると、廊下はいっぱいの人だかりで、みんな東南の空を見あげている。

昼寝のあとの味気なさが心に喰い入るようで、じっとしているのが、もどかしいほど息苦しい。ふと見あげる青空にキラリと光るものがあった。それにならんで銀翼が二つ三つ弧を描いて――敵か味方か入り乱れて旋回しているのが眼に入った。

正面の門から、あまり遠くはなれていない森かげから白い煙が幾条となく一直線に空にのぼってゆく。地響がするごとに砲煙が視野をかすめる。おくれ馳せに空襲警報が街の八方から鳴りだした。みんな昂奮して、背伸びをしながら空を見あげている。あれは日本のだ、いや首の長いのはアメリカ機だ、と口々にわめきながらあっちこっち走り廻っている男もあった。

「ヤア、墜ちるぞ、墜ちるぞ」

誰かが叫ぶと、みんな一様に首をすくめた。庭内の監視兵たちもいきり立っているらしい。一人の若いアメリカ兵が空に向けて小銃をぶっ放した。

白くうかんでいる白雲の層を眼がけて真っ直ぐにのぼっていったと思うと、たちまち雲の中にかくれてしまう一機があり、またかすかに両翼のはしから長く煙の尾を曳いて、斜めに廻転しながら上昇する一機もあった。