Japanische Klassiker mit Furigana
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あきかぜとはは
尾崎士郎短篇集
尾崎 士郎
Lesen Sie 尾崎士郎短篇集 (あきかぜとはは) von 尾崎 士郎 (おざきしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 108.032 Zeichen · 216 Bildschirme
それが、うまくゆかないからといって途中で変更するわけにもゆかないので、先ず新橋駅で二人に会い、銀座に出て、コロンバンの二階で、一円五十銭のランチを喰べ、それから、すぐ歌舞伎座へいったが、特等席は五円だったので、切符を買ってしまうと、もう円タク代もなくなってしまう。止むなく三円で二階の二等席へおさまった。その翌日は、二、三十人の連中が、ささやかな招宴を張ったが、これも、東京会館とか帝国ホテルとかいうわけにはゆかず、赤坂の、アメリカ大使館の前にあった三会堂という暗いビルディングの一室で、とにかく一応の恰好だけをつけた。
最初、中野の手紙では、彼女が同化しようとする気持には並々ならぬものがあり、糟糠の妻として一生を奉仕する覚悟があるという決意を汲みとることの出来た私たちは、孔雀のように、明るく絢爛たる色彩に全身をうずめて、悠揚とあらわれてくる彼女との応対にどうしていいのか見当がつかなくなってしまった。
最初は、中野のお母さんであったか、姉さんであったか、ひとりで住んでいられた(詳しいことは知らぬ)神宮外苑のアパートに落ちついていたが、五尺七、八寸もある巨体をもつ彼女は、それが絶世の美人であるだけに、小さなアパートの生活は相当に息苦しいものであったらしく、やがて、渋谷の親戚の家に移った(これも詳しいことは知らぬ