Japanische Klassiker mit Furigana
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あきかぜとはは
尾崎士郎短篇集
尾崎 士郎
Lesen Sie 尾崎士郎短篇集 (あきかぜとはは) von 尾崎 士郎 (おざきしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 108.032 Zeichen · 216 Bildschirme
「しかし、情報といったってもう大勢はきまっているんだからね」
「ええだけど」
たるんだような力のない声で彼は考え込むように眉をひそめた。「まだほかの情勢がどう変るかもわからないし」
「それにしたって、今となっちゃどうしようもないじゃないか、――それより問題は丈ちゃん自身の進退だね」
「そいつがどうしていいか見当がつかないんですよ、やっぱり自首して出るか、それともどこかへ逃亡しようかと考えあぐんでいるんですが」
「どっちとも僕には言えないが、どうせつかまるもんなら自首してしまった方がいいんじゃないかな?」
「それも考えるんですがね」
声が涙にくもってくるのを彼はぐっとおさえて、無理にもまだ何処かに恃むべきものが残っているという気もちをかきたてようとしている様子であったが、
「どんなに追いつめられても」
と言いながら苦しそうな笑いをうかべた。「自首すべきじゃないと思います、ああ僕にだって」
眼鏡越しに伍一を見る丈吉の眼がだんだん嶮しい輝きを帯びてきた。「まだ骨がありますよ、つまり僕には生きているかぎり一つの仕事が残っているということになるんです」
「そいつはわかっているがね」