Japanische Klassiker mit Furigana
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やまとゆきのにっき
山と雪の日記
板倉 勝宣
Lesen Sie 山と雪の日記 (やまとゆきのにっき) von 板倉 勝宣 (いたくらかつのぶ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 32.279 Zeichen · 67 Bildschirme
社会の平等を叫ぶ一派の社会主義は、よろしく三等車の席を平等に腰かけられる工夫をして貰いたい。それでもやっと腰を下ろした。小林は汽車が出るともう眠ろうと心がけている。世の中に眠りにきたように心得ている。そのくせ十二時頃から騒ぎ出して人の眠りを妨げた上にトランプを強いた。無暗と騒ぐので四方で迷惑したに違いない。その時は周囲に人がいるのは気がつかなかった。傍若無人とはこれだろう。福島で夜があけた。小池は長い足のやり場に困っている。馬を積む貨車に入れるとよかったがもう仕方がない。これから二台の機関車で前後から持ち上げられるのだ。坂はよほど急だと見えて歩むより遅い。この時分になって小林がまた眠りだした。雪がだんだんと増して汽車は山の懐ろへ懐ろへと進む。汽車の窓には重り合った真白な雪の山と深い谷間を流れる墨画のような谷川が見えて行く。スティームと人いきれで汚れた車内の空気が窓外の景色で洗われたように思われた。瓢箪をさげて見る景ではない。もっと荘厳な、もっと幽邃な景である。汽車は雪よけのトンネルを出たり入ったり、静かな雪の世界に響くような音をたてて行く。よほどたってから小林をたたき起すと目をこすりながら「どうだ素敵な雪だ」