Japanische Klassiker mit Furigana
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ふえふきがわのじょうりゅう(ひがしさわとにしさわ)
山の憶い出 上
木暮 理太郎
Lesen Sie 山の憶い出 上 (ふえふきがわのじょうりゅう(ひがしさわとにしさわ)) von 木暮 理太郎 (こぐれりたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 284.014 Zeichen · 565 Bildschirme
休んでいると汗にまみれた肌がべッとりとして余計に気持が悪い。それでもよく休むので、午後六時に疲れ切って漸く室堂に辿り着いた。
五日は豪雨を伴った南の暴風が未明から荒れ狂っていた。一日滞在しようかとも考えたが、早朝ずぶ濡れになって登山した百余名を合せて、二百五十人に余る参拝者で、室堂の中は蜂の巣を突ついたような騒ぎだ、横になる席もない。中村君と相談して下ることに決め、返りの人夫を一人雇って午前八時に結束して下山の途に就いた。幾つかの小さな谷に沿い又谷を横切っている路は、濁流が滝のように奔下して、深さ膝を没し、どれが路やら河やら区別がつかず、足もとの危ないこと甚しい。上からは篠突く雨が横なぐりに叩きつける、全身濡れ透ってしまったが、それでも歩調はゆるめなかった。十二時、椈坂の茶屋にて中食。午後四時芦峅に達して、私達二人は宝泉坊に宿り、長次郎達は家が近いので帰って行った。麓では風は強くもなかったが、雨は終夜歇まなかった。
明くる六日は曇っていた。朝春蔵(平蔵の弟)が訪ねて来ての話に、昨日雨を衝いて雄山に登った参拝者の中に行方不明の者が二人あったということだった。