Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
ふえふきがわのじょうりゅう(ひがしさわとにしさわ)
山の憶い出 上
木暮 理太郎
Lesen Sie 山の憶い出 上 (ふえふきがわのじょうりゅう(ひがしさわとにしさわ)) von 木暮 理太郎 (こぐれりたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 284.014 Zeichen · 565 Bildschirme
頼朝が此処で馬から下りたというので、其名を得たものであるという、つまり旅館の近いことを証するものであろう。井出伝五郎という人の家が四十間許離れた高みにあって、そこが頼朝の旅館であったといわれ、古記録の類もあろうと傍の人に教えられたが、前途を急ぐので立ち寄らなかった。附近に熊窪ノ瀑というのがあって、左手の崖に懸っているのを見たが、判然した位置は記憶に存していない。二丈ばかりのものであった。
頼朝は井出に十日余り滞在して、最後に七日間の巻狩を行うことになった、其初日に当る五月二十八日の子の刻、曾我十郎祐成同じく五郎時致の兄弟が、かねて父の仇と狙っていた工藤左衛門尉祐経の営を襲うて、首尾よく之を討取った。子の刻というから翌二十九日の午前というた方が適当であろう。太陽暦でいえば七月五日から六日に当っている。『吾妻鏡』に拠ると、其日は狩の記事なく、朝小雨が降って昼過ぎから晴れ、夜に入っては「雷雨鼓を撃ち、暗夜に灯を失ひ、殆ど東西に迷ふの間、祐成等の為に多く以て疵を被る」とあるので、其時の騒動と、兄弟が太刀を真額に振りかざして奮闘した様とが想像される。其場所も此附近であったろうと思う。