Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
やまぶきちょうのさつじん
山吹町の殺人
平林 初之輔
Lesen Sie 山吹町の殺人 (やまぶきちょうのさつじん) von 平林 初之輔 (ひらばやしはつのすけ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 18.530 Zeichen · 37 Bildschirme
――女というものは異常な場合には異常なことをし兼ねない性質をもっている。特に愛する男のためには、想像もできないような残忍性を発揮することがある――とりわけ――彼はバルザックの言葉を思い出した――女というものは、一度別の女のものであった男を愛する場合には、全力を賭(と)して戦うものだそうである。しかも、彼女の場合がちょうどそれにあたるではないか?
――二人の女が――しかも多感な女が一人の男を奪いあう場合、彼女達は手段をえらばない。どんな残忍な、どんな陰険な手段でもとりかねない。色情のために犯された放火や殺人等(とう)の惨劇は枚挙に遑(いとま)ない程ある。――考えれば考える程、恐ろしい疑いは益々具体的な形をとって来るのであった。
――元来、女は嫉妬という兇器をもっている。恋することの強い女ほど嫉妬も強い。「嫉妬せざる女は恋せざる女なり」というオーガスチンの言葉を逆にすれば、「恋する女は嫉妬する女なり」ということになる。ところで嘉子は自分を熱愛している。自分を熱愛していることは、光子に対する強烈な嫉妬の存在を証(しょう)するわけだ――
嘉子も長く眠(ね)つかなかった。