Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

あずさがわのじょうりゅう

山岳紀行文集 日本アルプス

小島 烏水

Lesen Sie 山岳紀行文集 日本アルプス (あずさがわのじょうりゅう) von 小島 烏水 (こじまうすい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 138.795 Zeichen · 274 Bildschirme

Aozora Bunko

シバヤナギ、タチヤナギ、いろいろな名があろう、幹の皮は、皺だらけで、永年洗い落したことのない垢……青苔が、厚くこびり粘いている。夜になると、この筋の根に、一本一本神経が入って大手を振って、のさり、のさり、谷の中を歩きそうだ。川に沿いて、両側に森がある。森には、樅や樺の類が茂っている。しかし、川の中まで足を踏み入れて、人間を嗅ぎ出して、突き倒し兼ねないのは、この川楊ばかりだ。何となく、いやな樹だ。

谷のことだから、水を横に切っては、右側へ移ったり、左側へ寄ったりする、私の前には、猟師が、鍋や米袋をしょって行く。腰に括ってある紫の風呂敷が、揺れると、強烈な色彩の波動が、流水の震動と一つになって、寂しい谷が、ぱっとなる。

と、眼の前に、ふわりと、雪の粉が落ちる……七月末の炎天である……直ぐ、水に吸い込まれて消える……また、頬を掠めて、ふわりと飛ぶ。信濃の浅間山、飛騨の硫黄岳、遠くの火山から、吹きなぐれた灰でもあろうか……空は曇り切って、どんよりと、眠むそうな顔をしている。何だろう、今のはと、眼と眼を見合せる。鶺鴒が、もの忘れから気が注いたといった風に、石の上から、ついと飛ぶ。