Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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あずさがわのじょうりゅう

山岳紀行文集 日本アルプス

小島 烏水

Lesen Sie 山岳紀行文集 日本アルプス (あずさがわのじょうりゅう) von 小島 烏水 (こじまうすい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 138.795 Zeichen · 274 Bildschirme

Aozora Bunko

雪の白峰

アルプスに Alpine Glow(山の栄光)という名詞がある、沈む日が山の陰へ落ちて、眼にも見えなくなり、谷の隅々隈々に幻の光が、夢のように彷徨い、また消えようとするとき、二、三分の間、雪の高嶺に、鮮やかな光が這って、山の三角的天辺が火で洗うように耀く、山は自然の心臓から滴れたかと思う純鮮血色で一杯に染まる、まことに山の光栄は落日である、さればラスキンも『近世画家論』第二巻に、渚へ寄する泡沫と、アルプス山頂の雪とは、海と山とを描いて、死活の岐れるところだというような意味で書いてある、落日より億万の光線を吸収して、その一本一本に磨きをかけるのは、山の雪である、アルプスばかりではない『甲斐国志』にも、白峰の夕照は、八景の一なりとある、山の雪は烈しい圧迫のために、空気泡を含むことが少ないから、下界の雪のように、純白ではない、しかも三分の白色を失って、三分の氷藍色を加え、透明の微小結晶を作って、空気の海に、澄徹に沈んでいる、群山の中で、コバルト色の山が、空と一つに融ければとて、雪の一角は、判然と浮び上る、碧水の底から、一片の石英が光る