Japanische Klassiker mit Furigana
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あずさがわのじょうりゅう
山岳紀行文集 日本アルプス
小島 烏水
Lesen Sie 山岳紀行文集 日本アルプス (あずさがわのじょうりゅう) von 小島 烏水 (こじまうすい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 138.795 Zeichen · 274 Bildschirme
丁度、白峰山脈からいえば、農鳥山の支峰の下で、河原から、赤石山脈の間の岳とは、真面に向き合っている。両山脈の相対する間隔は、直径約一里もあろうか、間の岳の頂までは、この河原から一里半で達せられる。岳の裾から河原へは、灰色の沙が、幾町の長さの大崩れに押し出している。全く洪水よりも怖しい沙の汎濫である。絶頂から山越しに向へ一里半も下りると、中股というへ出られる。なお一里で、小西股の材木小舎に出て、そこから八里ばかりで、この旅行の発足点とした、湯島温泉へ下られるということであったから、もし天候が嶮悪で、白峰山脈縦断が、覚束なかったら、その路を取って、引き返すはずにして、きょうは天候も悪いし、これから農鳥山に登る間に、適当の露宿地がないというので、まだ早いが一泊することにした。猟師は楓の細木を伐り朴し、枝葉を払わないままで、柱を立て、私たちの用意して来た、二畳敷ほどな油紙二枚を、人字形に懸けて、家根を作る。それから、樅や、栂の小枝を、鉈で、さくりさくり伐り落して、鮮やかな、光沢のある、脂の香気が、鋭敏に鼻感を刺戟する、青葉の床を延べる。ふっくりと柔く、尻の落ちつきがいい。