Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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あずさがわのじょうりゅう

山岳紀行文集 日本アルプス

小島 烏水

Lesen Sie 山岳紀行文集 日本アルプス (あずさがわのじょうりゅう) von 小島 烏水 (こじまうすい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 138.795 Zeichen · 274 Bildschirme

Aozora Bunko

あとのように、葉が泥塗みれになって、重苦しく俯向いている、車中の土地の人は、あれがきのう降った焼岳の灰で、村井や塩尻は、そりゃひどうござんした、屋根などは、パリパリいって、針で突っつくような音がしましたと、噴火の話をしてくれる。

刈り残された雑木林の下路が、むら消えの雪のように、灰をなすりつけている。レールに近く養蚕広告のペンキ塗の看板が、鉛のような鉱物性の色をして、硬く平ったく烈しい日の光に向って立っていたが、汽車と擦れ違いさまに、仆れそうになって、辛くも踏み止まった。原の中の小さい池には、雲母を流したような雲の影が、白く浮んで、水の底からも銀色をした雲が、むらむら湧いて来る、丹念に桑の葉に、杞杓の水をかけては、一杯一杯泥を洗い落している、共稼ぎらしい男女もある、穂高山と乗鞍岳は、窓から始終仰がれていたが、灰の主(焼岳)は、その中間に介まって、しゃがんでいるかして、汽車からは見えなかった。これらの山々から瞰下されて、乾き切っている桔梗ヶ原一帯は、黒水晶の葡萄がみのる野というよりも、橇でも挽かせて、砂と埃と灰の上を、駈けずって見たくなった。