Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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あずさがわのじょうりゅう

山岳紀行文集 日本アルプス

小島 烏水

Lesen Sie 山岳紀行文集 日本アルプス (あずさがわのじょうりゅう) von 小島 烏水 (こじまうすい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 138.795 Zeichen · 274 Bildschirme

Aozora Bunko

松本市で汽車を下りたが、青々とした山で、方々を囲まれていて、雲がむくむくと、その上におい冠ぶさっている、山の頂は濃厚な水蒸気の群れから、二、三尺も離れて、その間に冴えた空が、澄んだ水でも湛えたように、冷たい藍色をしている、そこから秋の風が、すいすいと吹き落して来そうである。

二

翌くる日、渚というところから、馬車に乗った、馬車は埃で煙ッぽくなってる一本道を走る、この辺の農家によくある、平ったい屋根と、白い壁が、青々とした杜の中へ吸い込まれもせずに、熬りつくような日の下で、かっきりと浮き上って見える、埃の路は、ぼくぼくして、見るからにかったるい、その上を日覆いを半分卸した馬車は、痩せて骨立った馬に引かれて、のろのろと歩むかとおもうと、急に憶い出したように、塵をパッパと蹴立てて駈け出す。

眼の前には、雁木の凹みのように、小さな峰が分れて、そこから日本アルプスの禿げた頭が、ぐいと出ている、雪の線が二筋三筋ほど、芒に白い斑が入ったように、細く刻まれて、荒ららかな膚に、美しい白紐を引き締めている。

馬車は一里もある