Japanische Klassiker mit Furigana
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あずさがわのじょうりゅう
山岳紀行文集 日本アルプス
小島 烏水
Lesen Sie 山岳紀行文集 日本アルプス (あずさがわのじょうりゅう) von 小島 烏水 (こじまうすい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 138.795 Zeichen · 274 Bildschirme
後を振り返り、振り返り、グイグイと流れて行くのを見ていると、この流れにも、焼岳の灰が交っているのではあるまいかと、おもわれる、そこから島々谷の水源の方を仰いでは見たが、青々とした山々が、幾重にも襟を掻き合せて、日本アルプスの御幣のような山々を、その背後に封鎖して、見せようともしない。
島々の清水屋では、それしゃのあがりらしい女房が、昨日からお待ち申していたの、案内者を用意して置いたのが、ムダになったが、未だ足留めをしているのと、よくひとりでしゃべくる、二階に上って、烏賊に大根おろしをかけたのを肴に、茶のいきおいで、ボソボソした飯を掻き込む、大根の香物が、臭いのには少なからず閉口させられた、かみさんに云い付けて、馬車から行李を運ばせたりしているうちに、頼んで置いた嘉代吉(老猟師嘉門次の悴)も、仕度が出来て待っているというので、単衣を洋服に着換えるやら、草鞋を引きずり出すやらで、登山装束を整える、そんなことをして午を過ごした。
四
島々谷に沿って、溯って行くと、杉やら唐松やらが、茂り合って、もうここからは、人と自然の間に線を引かれている、この谷へ入る