Japanische Klassiker mit Furigana
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あずさがわのじょうりゅう
山岳紀行文集 日本アルプス
小島 烏水
Lesen Sie 山岳紀行文集 日本アルプス (あずさがわのじょうりゅう) von 小島 烏水 (こじまうすい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 138.795 Zeichen · 274 Bildschirme
旅館が出来て、叮嚀に客を待遇するようになってからは、初めての年に、一ヵ年八十人ぐらいしか登山客のなかった土地が、後には毎年何千人という登山者を見るようになった、アルプス山の最高峰、白山における登山地点、シャモニイ渓谷の発見も、また同様の関係を有している。
我が日本アルプスでも、上高地は、私が明治三十五年に、白骨温泉から梓川を渉って、霞沢岳を踰え、この峡谷に下りて、槍ヶ岳へ登ったときは、夏とはいえ、寂寥無人、太古の如き感があって、温泉の湧出はあっても、今日のような宿屋は、まだ建っていなかった。その時分上高地峡谷に入る人は、猟師の外に、稀に飛騨の蒲田谷から、焼岳を越えて来るか、あるいはその反対を行く旅人を見るに過ぎなかったのであろうと想像されるが、今日では夏日になれば、登山客がこの谷に多く群集して、数十年来の谷の主、老猟師嘉門次に呆れた眼をらせるようになった。
私が温泉宿の主人、加藤氏に聞いたところを事実とすれば、明治四十二年は、宿帳に註せられた客が千百三十人、翌四十三年は、千百九十人で、最も混雑する時は、一日に九十人位を泊める