Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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あずさがわのじょうりゅう

山岳紀行文集 日本アルプス

小島 烏水

Lesen Sie 山岳紀行文集 日本アルプス (あずさがわのじょうりゅう) von 小島 烏水 (こじまうすい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 138.795 Zeichen · 274 Bildschirme

Aozora Bunko

ように。

蒼醒めて、純桔梗色に澄みかえる冬の富士を、武蔵野平原から眺めた人は、甲府平原またはその附近の高台地から白峰の三山が、天外に碧い空を抜いて、劃然と、白銀の玉座を高く据えたのを見て、その冴え冴えと振り翳す白無垢衣の、皺の折れ方までが、わけもなく魂を織り込もうとするのに魅せられるであろう、水を打ったように粛んみりとした街道の樹も顫え、田の面の水も、慄然として震えるような気がするであろう。

自分は甲斐精進湖に遊んで、その近傍の山から、冬の白峰を見たことを、鮮やかに記憶している、空線の上に、夢みる巨人は、下界の水平線上、青春の国の炎の中で、夢を見ている自分と、向き合った、彼の夢には冷たけれども光があった、自分の夢は、彼に吸収されていつしか化石のような自分を融かしてしまった、自分は無意識に古人の言ったことを繰り返えす、「北に遠ざかりて雪白き山あり」もうそれでよい、ただ白峰でよい。

雪によって名を得たものに、飛騨山脈の大蓮華山、また白馬岳があるし、蝶ヶ岳もある、しかし虚空に匂う白蓮華も、翅粉谷の水脈より長く曳く白蝶も、天馬空を行かず、止まって山の肌に刻印する