Japanische Klassiker mit Furigana
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ひゃくものがたり
山椒大夫・高瀬舟
Lesen Sie 山椒大夫・高瀬舟 (ひゃくものがたり) von Mori Ōgai (森 鴎外) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 45.466 Zeichen · 92 Bildschirme
それから備前国に入り、岡山を経て、下山から六月十六日の夜舟に乗って、いよいよ四国へ渡った。松坂以来九郎右衛門の捜索方鍼に対して、稍不満らしい気色を見せながら、つまりは意志の堅固な、機嫌に浮沈のない叔父に威圧せられて、附いて歩いていた宇平が、この時急に活気を生じて、船中で夜の更けるまで話し続けた。
十六日の朝舟は讃岐国丸亀に着いた。文吉に松尾を尋ねさせて置いて、二人は象頭山へ祈願に登った。すると参籠人が丸亀で一癖ありげな、他所者の若い僧を見たと云う話をした。宇平はもう敵を見附けたような気になって、亥の刻に山を下った。丸亀に帰って、文吉を松尾から呼んで僧を見させたが、それは別人であった。
伊予国の銅山は諸国の悪者の集まる所だと聞いて、一行は銅山を二日捜した。それから西条に二日、小春、今治に二日いて、松山から道後の温泉に出た。ここへ来るまでに、暑を侵して旅行をした宇平は留飲疝通に悩み、文吉も下痢して、食事が進まぬので、湯町で五十日の間保養した。大分体が好くなったと云って、中大洲を二日捜して、八幡浜に出ると、病後を押して歩いた宇平が、力抜けがして煩った。