Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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やまうらきよまろ

山浦清麿

吉川 英治

Lesen Sie 山浦清麿 (やまうらきよまろ) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 45.573 Zeichen · 91 Bildschirme

Aozora Bunko

三

『はははは。そう三拍子揃ったのも、厄介かも知れぬ。何と申す者で』

『信濃の産で、山浦内蔵助、環ともいい、刀銘には、そのほか正行などとも彫っておるが』

『お手許に、作刀がござりましょう』

『ござる。見てやってください』

窪田清音は、立って、床脇から、彼の鍛った一振を取ってそれへ差出した。

鍛ちおろしの中身を一見して、二人は、交に、驚嘆した。殊に、加藤宅馬は、鑑刀の眼もきくし、愛刀家といわれていたが、これは、古刀の名だたる銘作と比較しても、遜色のない物とまで――口を極めて賞めた。

『そうかなあ』

窪田清音は、にやにや笑った。

彼自身も、刀には眼利と、人にゆるされておりながら、そう云うのだった。そして、欣しそうな容子がつつめなかった。

『一体、こんな名刀が、どうして、お宅の物置小屋などに、埋れているといっては失礼ですが、世間にも知られずに居るのですか』

二人は、数年前の、兵学の弟子だったが、今度の出府に、挨拶に来たものだった。

だが、今の一刀を見ると、もう他の話は忘れて、熱心に、膝をのり出した。

三

一片の紹介状を持って、山浦内蔵助が、ここの門を叩いたのは、もうすでに六、七年前になる。