Japanische Klassiker mit Furigana
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あるおんなのしょうがい
嵐・ある女の生涯
島崎 藤村
Lesen Sie 嵐・ある女の生涯 (あるおんなのしょうがい) von 島崎 藤村 (しまざきとうそん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 47.846 Zeichen · 96 Bildschirme
どうかすると彼女は、伜なぞの使う言葉の意味をすら捉えがたく思うことがあった。
「結局とは何だい」とお三輪は問い返した。
新七は母の言おうとすることが、気に掛ったが、食堂の方にはまだゆっくり話し込んでいる客のあるのに気がついて、ちょっとそちらの様子を見に行って来た後で、また母の側へ来た。新七に言わせると、この大きな震災の打撃は母の想像するような程度のものではない。日頃百円のものを二百円にも三百円にも廻して、現金で遊ばせて置くということも少い商人が、肝心の店の品物をすっかり焼いた上に、取引先まで焼けてしまったでは、どうしようもない。田舎へでも引込むか、ちいさくなるか――誰一人、打撃を受けないものはない。こんな話を新七は母にして聞かせた。
お三輪は思い出したように、
「あの橘町辺のお店はどうなったろう」
「バラックを建ててやってはいますが、みんな食べて行くというだけのことでしょう。秋草さんのようなお店でも御覧なさいな、玉川の方の染物の工場だけは焼けずにあって、そっちの方へ移って行って、今では三越あたりへ品物を入れてると言いますよ――あの立派な呉服屋がですよ」