Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
あらし
嵐
島崎 藤村
Lesen Sie 嵐 (あらし) von 島崎 藤村 (しまざきとうそん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 54.007 Zeichen · 108 Bildschirme
こんなことはずっと以前には私も気づかなかったことだ。
「とうさんも弱くなったなあ。」
と言わぬばかりに、次郎はややしばらくそこにしゃがんで、私のすることを見ていた。ちょうど三郎も作画に疲れたような顔をして、油絵の筆でも洗いに二階の梯子段を降りて来た。
「御覧、お前たちがみんなでかじるもんだから、とうさんの脛はこんなに細くなっちゃった。」
私は二人の子供の前へ自分の足を投げ出して見せた。病気以来肉も落ち痩せ、ずっと以前には信州の山の上から上州下仁田まで日に二十里の道を歩いたこともある脛とは自分ながら思われなかった。
「脛かじりと来たよ。」
次郎は弟のほうを見て笑った。
「太郎さんを入れると、四人もいてかじるんだから、たまらないや。」
と、三郎も半分他人の事のように言って笑った。そこへ茶の間の唐紙のあいたところから、ちょいと笑顔を見せたのは末子だ。脛かじりは、ここにも一人いると言うかのように。
その時まで、三郎は何かもじもじして、言いたいことも言わずにいるというふうであったが、
「とうさん――ホワイトを一本と、テラ・ロオザを一本買ってくれない? 絵の具が足りなくなった。