Japanische Klassiker mit Furigana
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あらし
嵐
島崎 藤村
Lesen Sie 嵐 (あらし) von 島崎 藤村 (しまざきとうそん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 54.007 Zeichen · 108 Bildschirme
さかんな笑い声が茶の間で起こるのを聞くと、私も自分の部屋にじっとしていられなかった。
「次郎ちゃんと姉やとは互角だ。」
そんなことを言って見ている三郎たちのそばで、また二人は勝負を争った。健康そのものとも言いたいお徳が肥った膝を乗り出して、腕に力を入れた時は、次郎もそれをどうすることもできなかった。若々しい血潮は見る見る次郎の顔に上った。堅く組んだ手も震えた。私はまたハラハラしながらそれを見ていた。
「オヽ、痛い。御覧なさいな、私の手はこんなに紅くなっちゃったこと。」
と、お徳は血でもにじむかと見えるほど紅く熱した腕をさすった。
「三ちゃんも姉やとやってごらんなさいな。」
と、末子がそばから勧めたが、三郎は応じなかった。
「僕はよす。左ならやってみてもいいけれど。」
そういう三郎は左を得意としていた。腕押しに、骨牌に、その晩は笑い声が尽きなかった。
翌日はもはや新しい柱時計が私たちの家の茶の間にかかっていなかった。次郎はそれを厚い紙箱に入れて、旅に提げて行かれるように荷造りした。
その時になってみると、太郎はあの山地のほうですでに田植えを始めている。次郎はこれから出かけようとしている。