Japanische Klassiker mit Furigana
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こうせつきょうほうずえ
巷説享保図絵・つづれ烏羽玉
林 不忘
Lesen Sie 巷説享保図絵・つづれ烏羽玉 (こうせつきょうほうずえ) von 林 不忘 (はやしふぼう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 365.120 Zeichen · 728 Bildschirme
ははあ、仇敵討ちかな、とおやじは思ったが、あまり立ち入ったことをいうと、危険なような気がしたので、黙っていた。それに、かたきうちにしては、相手のようすに、どことなくのんきすぎるところが見えるのだ。
しかし、若いころから、仇敵をさがして全国を放浪して、山河のほこりにまみれて、もうどうでもよくなって、こうして江戸へはいって、申しわけに、その顔のひろい人に頼んで捜してもらいながら、自分は、こづかい銭をもらって、一生ぶらぶら遊ぼうという肚かもしれない。よくあるやつだ。じっさい、この香具師のように陽に焼けて、悪ずれのしたように見える、龍造寺主計には、そんなようなところが、見えるのだ。
おやじは、めったなところを教えては、迷惑をかけるかもしれないと思った。
「はい。人をおさがしなさる。そのお人は、どういうお方でございましょうか」
「よく、いろんなことをきくやつだな。まず、蠅だ。蠅のようなやつだ」
「あの、蠅のようなお方――」
「そうだ。貴様は、汚物のうえにたかる銀蠅を、知っておるか」
「存じております」
「そのぎん蠅と同様に、しじゅう小判の集まるところにぶんぶんいうて飛んでおるやつだ」