Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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こうせつきょうほうずえ

巷説享保図絵・つづれ烏羽玉

林 不忘

Lesen Sie 巷説享保図絵・つづれ烏羽玉 (こうせつきょうほうずえ) von 林 不忘 (はやしふぼう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 365.120 Zeichen · 728 Bildschirme

Aozora Bunko

手紙は、そこにあった。その手紙を、どうしようかと思った。若松屋惣七さまに渡したものかどうかと迷った。

若松屋さまには見せたくない。見せられないと思ったが、考えてみると、この手紙ひとつじぶんの手で握りつぶしたところで、どうなるものでもないと気がついた。第一、若松屋惣七に、何ごとでも隠し立てしておくのが、お高は、くるしかった。もうお帰りになっていることであろうから、いっそすぐお眼にかけようと決心した。

五

お高は、うら口からはいって行った。そこだけは、雲のきれ目から、うす陽がさしていた。佐吉と滝蔵が、傘と足駄をならべて、ほしていた。炭屋が来ていた。炭屋は、切った炭に、井戸から水をくんで行って、かけていた。

誰も、お高がかえってきたことに、気がつかないようすだ。みんなで大声に、たれかのうわさをしていた。旦那やじぶんのうわさをしているのだと、気まずい思いをさせると思って、お高は、うら庭へはいるとすぐ、声をかけた。

「みなさん、よくお精が出ますよ」

ふたりの下僕と炭屋は、びっくりして挨拶した。

「おかえんなさい」

「旦那さまは?」

「まだお帰りではねえのです。