Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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こうせつきょうほうずえ

巷説享保図絵・つづれ烏羽玉

林 不忘

Lesen Sie 巷説享保図絵・つづれ烏羽玉 (こうせつきょうほうずえ) von 林 不忘 (はやしふぼう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 365.120 Zeichen · 728 Bildschirme

Aozora Bunko

若松屋惣七は、庭の老梅の幹のような、ほそ長い、枯れた顔を、まっすぐに立てて、きちんと端坐していた。いらいらして、膝をふっていた。膝のまえに、何やら書類のようなものが、四、五枚ちらばっていた。

「泊まり客があるそうだが――」

「旅のおさむらい様でございます。きのうお見えになって、そのままお泊まりになったのでございます。江戸の人をさがすにつけて、旦那さまのお力を借りたいとかおっしゃってでございましたが、磯五さんがわたくしに用があるといって、金剛寺まで呼び出して話をしているところへ来なすって、磯五さんを見ると、それが、その、捜していらっしゃる当の相手でございました。お強そうな、お立派なお武家さまでございます」

お高は、簡単に、いま聞いた、龍造寺主計が磯五をねらって出府したわけを、若松屋惣七に話した。

若松屋惣七は、眉間の傷痕をふかくして、顔をしかめた。

「いずれ、そういうことであろうと、思っておりました。お前の良人――とは呼びとうない。磯五だ。磯五とは、ゆうべおそく、拝領町屋のおせい様の家で会いましたが、じつにどうも唾棄すべき人間である」

「はい。それははじめからわかっておりますことでございますが」