Japanische Klassiker mit Furigana
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こうせつきょうほうずえ
巷説享保図絵・つづれ烏羽玉
林 不忘
Lesen Sie 巷説享保図絵・つづれ烏羽玉 (こうせつきょうほうずえ) von 林 不忘 (はやしふぼう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 365.120 Zeichen · 728 Bildschirme
「若竹からは、大金を絞りおったぞ」
「そうして、あの人の手は、女性の血に染んでいるのでございますね。あの人は、足でおなごの誠に踏みつけて、立っていらっしゃるのでございます」
「あんたは、あの男と、何か特別の関係ででもあるのかな」
「いいえ、そんなことはございません」
「そうか。そんならよいが――」
「あの人はいままた、そのおせい様から、お金をまき上げようとしているのでございます。おおかた、お金をまき上げたうえで、すてるのでございましょう」
「もとより、そうにきまっておる」
「それを、知っていて、黙って見ているよりほかしかたがないのでございます」
「わたしは、強いことは相当強いつもりだが、簡単な男である。話してくれぬことは、わからぬ」
「はい。いずれ、すっかりお話し申し上げますでござります」
四
若松屋惣七の居間で、人をよぶ惣七の声がしていた。彼は、いつのまにか起きて、寝間を出て、奥の茶室兼帳場へ来ていた。お高は、いそいそとはいって行って、手をついた。若松屋惣七は、かすんでいる眼を、お高へ向けた。
「お高か」
「はい。高でございます。久しくお眼にかかりませんでございました」