Japanische Klassiker mit Furigana
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こうせつきょうほうずえ
巷説享保図絵・つづれ烏羽玉
林 不忘
Lesen Sie 巷説享保図絵・つづれ烏羽玉 (こうせつきょうほうずえ) von 林 不忘 (はやしふぼう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 365.120 Zeichen · 728 Bildschirme
惣七以外の人には、あくまでその秘密を押し通していこうと思った。
「いいえ。これからお話を申しあげるような、こちら様との取り引きを通して、存じ上げておりますだけでございます」
「さようか。それで安心いたした。何なりとうけたまわろう」
安心はおかしいと、惣七も、お高も思った。が、惣七は、もうお高にまかせて、黙りこんでいた。お高は、いっしんに先をいそいでいた。
できるだけ順序立てて、ひととおり今度のいきさつを話し終わった。
話し終わるのを待って、龍造寺主計が、質問をはじめた。それは奇妙な問いから、はじまった。若松屋惣七は、まるで他人のうわさでも聞くように終始もくもくとして、腕を組んでいた。
「お高――どの、といわれましたな。お高どのは、友だちというものがほしいと、思われることはないかな」
お高は、何という悠長な人であろうと、まじめに応対するのが、莫迦々々しくなった。しかし、返事をしないわけにはゆかないので、
「はい、親身に相談のできるお知りあいがあればよいと、しじゅう願っておりますでございます」そして、すぐつけたした。「旦那さまのほかに」
「うむ」龍造寺主計は、まじめとも冗談ともつかずゆっくりとうなずいて、「しからば、わたしを、その一人に考えてくだされい」