Japanische Klassiker mit Furigana
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こうせつきょうほうずえ
巷説享保図絵・つづれ烏羽玉
林 不忘
Lesen Sie 巷説享保図絵・つづれ烏羽玉 (こうせつきょうほうずえ) von 林 不忘 (はやしふぼう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 365.120 Zeichen · 728 Bildschirme
「眼が不自由であろう。お困りだな」
「大きにお世話です」
「あんたは、正直な人物だ。顔で、わかる」
「ふん」若松屋惣七は、お高を返り見た。「投げ出す気になったら、それこそ、正直なものだな。急にせいせいしたよ」
二
お高は、にわかに思いついたことがあるらしく、その、若松屋惣七のことばには答えずに、くるりと、壁の龍造寺主計へ、膝を向けた。
「わたくしから、すっかり申し上げますでございます」
必死の色だ。若松屋惣七が、
「お高、ゆきずりの客人に、よけいなことを話すまいぞ」
と、声を高めたのも、耳へはいらないのか、はいっても、無視したのか、お高は、なみだに濡れて異様にきらめく眼で、龍造寺主計をみつめて、いい出していた。
「じつは、あの磯五というお人が――」
龍造寺主計がさえぎった。
「その磯五だが、磯五は、あんたの何かではないのかな。どうも、全然かかわりのない仲とは思えん」
お高は、声をのんで、ちらと若松屋惣七を見た。磯五の妻であるとは、誰も知られたくなかったので、若松屋惣七が、そばから口を入れて、そう打ちあけはしないかと懸念したのだ。が、惣七がだまっているのでお高は安心した。