Japanische Klassiker mit Furigana
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こうせつきょうほうずえ
巷説享保図絵・つづれ烏羽玉
林 不忘
Lesen Sie 巷説享保図絵・つづれ烏羽玉 (こうせつきょうほうずえ) von 林 不忘 (はやしふぼう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 365.120 Zeichen · 728 Bildschirme
「うまく食わせるじゃないか。見上げた腕前だぜ。前はどこにいたんだ」
「どこといって、べつに――以前は石町のほうにいたこともありますが」
「石町の大提燈かい」
「へえ」
「あすこならたいしたもんだ。こんな素人家へなんぞ来るのはもったいないぜ」
「あすこに十二年おりやした」
その石町の大提燈というのは、そのころ石町に、檐に大提燈をつるした、名代のうまいもの屋があった。その家のことだった。
「そうかい。どうしてやめたのかい」
「代が変わって、そりが合わねえから、面白くねえので思い切って引きやした。それから、ふか川のほうに、自前で店をやってみましたが、この年齢じゃ、若えもんのあいだにまじって、河岸の買い出しをするのも、骨でがす。そのうちに、こちら様で板場を探しているてえことを聞き込みましたので、ここから葬式を出していただくつもりでまいりました」
「そうかい。そりゃあまあ、いいことをしたよ。おめえなんざあ年のわりにぴんしゃんしてるけれど、これで、荒い仕事をするよりは、ここらへ住み込んで、爺や爺やと気に入られて日を送ったほうが上分別よ。
おせい様は、奉公人の出し入れがきらいで、長くいる者は眼をかけて、そりゃあ可愛がるのだ。