Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
こうせつきょうほうずえ
巷説享保図絵・つづれ烏羽玉
林 不忘
Lesen Sie 巷説享保図絵・つづれ烏羽玉 (こうせつきょうほうずえ) von 林 不忘 (はやしふぼう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 365.120 Zeichen · 728 Bildschirme
じっさい、人に旅を思わせる好天気がつづいて、江戸の空は、藍甕の底をのぞくように深いのだ。朝早く、金剛寺の森にうぐいすが鳴く。夜も昼も、草木の呼吸する音が聞こえるような気がした。そんな毎日だった。
お高が、縁側へ古い手紙類を持ち出して、一応眼を通したのち、一つひとつ丹念に破いているところへ、玄関に人声がして、国平が取り次ぎに出た。お高は、手紙を巾広く破いておいて、あとで、それを折ってはたきをこしらえましょうと思って、そのとおりに気をつけてやぶいていた。うしろへ、国平が来てうずくまった。
「一空さんが、おめえ様に会いてえといってお見えになったのです」
「一空さん――」
お高は、不意に思い出せないで、眉を寄せて、考えた。
「へえ。裏の金剛寺の一空和尚なのですよ」
「まあ、あの和尚さまが来たのですか。それで、わたくしに御用がおありだとおっしゃるの。上げてくださいよ。お座敷へお通し申しておくのですよ。えらい坊さまですから、失礼のないようにねえ」
洗耳房
一
「では、一空さまをこちらへ」
まもなく、まるい顔に細い眼を笑わせて禅師が、その部屋にお高と向かいあってすわっていた。