Japanische Klassiker mit Furigana
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こうせつきょうほうずえ
巷説享保図絵・つづれ烏羽玉
林 不忘
Lesen Sie 巷説享保図絵・つづれ烏羽玉 (こうせつきょうほうずえ) von 林 不忘 (はやしふぼう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 365.120 Zeichen · 728 Bildschirme
ちょっと行って、いってやりましょうよ」
一空さまが、とめた。
「まあま、人は、寄りあうと、理解を失って群れさわぐものじゃ。うっちゃって置きなされ、それより、怪我せん算段が肝要じゃて」
お由さんは、口をとがらせていた。
「いくら商売に困るからって、先方も商売じゃありませんかねえ。良い品を安く売るのに、邪魔だてをされては、買うほうが困りますよ。ほんとに、あんまりなことをすると、かえって、ついていた人気も離れますよねえ」
「こっちは、良い品物を安く買えたほうがありがたいんでございますもの」
「しかし、この、昔からの金剛寺門前町の商人を、見殺しにするということもできんでの」
「それもそうですけれど、でも、わけのわからないならずもののような人を狩り集めて、通る人に迷惑をかけたりしては、せっかく味方についていた者まで、いやになりますでございますよ」
「とにかく、乱暴を働くのは、間違っておる」
「そんなことを大きな声でおっしゃると聞こえますよ」
話しながら、人を分けて歩いて行った。それはもう文字どおり、かき分けなければならないほどの人ごみになっていた。夕やみの落ちてくる街上に、赤く逆上した顔が、浪のようにもみ合いへしあいして、押し返していた。