Japanische Klassiker mit Furigana
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こうせつきょうほうずえ
巷説享保図絵・つづれ烏羽玉
林 不忘
Lesen Sie 巷説享保図絵・つづれ烏羽玉 (こうせつきょうほうずえ) von 林 不忘 (はやしふぼう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 365.120 Zeichen · 728 Bildschirme
お高は、うつろな声だ。「誰かがねえ」
「そんなことはあり得ぬ。あれだけの身代がつぶれたとすれば、人のうわさにも上ったはずじゃ。ついぞ聞かぬ。また二人や三人がいかに馬鹿金をつこうたところで、そんなことでびくともする身代ではないのだ」
「さようでございますかねえ。そういたしますと、ほんとに妙なことでございますねえ」
「あんたの知らん兄弟でもあって、そっちに遺っておるのではないかな」
「でも、男の兄弟があるなどということは、聞いたこともありませんでございます」
「しかし、何かの理由で、あんたがものごころつかんうちからほかで育てたと考えれば、あんたの知らんのもむりはないということになる」
「それはそうでございますけれど、でも、父は一度も、そういうことを申したこともございませんし、態度に見せたこともございません」
急に、一空さまの眼が、光ってきたように見えた。彼は、膝を乗り出させるのだ。
「父御の相良寛十郎という仁は、見たところ、どういう人であったかな」
お高が、思いだし思いだし、父相良寛十郎のおもかげを述べはじめた。
いったいに小づくりで、せいも低く、やせていた。貧相な猫背だった。