Japanische Klassiker mit Furigana
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こうせつきょうほうずえ
巷説享保図絵・つづれ烏羽玉
林 不忘
Lesen Sie 巷説享保図絵・つづれ烏羽玉 (こうせつきょうほうずえ) von 林 不忘 (はやしふぼう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 365.120 Zeichen · 728 Bildschirme
もう一つは、おせい様のほうがこうなってしまえば、もう贋の妹などはいらないのだから、お駒ちゃんをお払い箱にしていいことであった。
磯五は、軽い心もちではあったが、しゃくにはさわっていた。おせい様をたぶらかしつづけて、もっと金を吐き出させることができたのに、途中から邪魔がはいって計画がこわれたのが残念であった。が、取るものは十分取ったのだし、考えてみれば、惜しくもないおせい様なのだ。磯屋の店は、もう基礎がしっかりすわっていて、大丈夫だ。
磯五は、駕籠に揺られながら、若い女のようにはゆかないおせい様のからだを思い出して、きたないお勤めが済んだように、駕籠のそとの地面へぺっぺっと唾を吐いた。
式部小路の店へ着いて、すぐお駒ちゃんを呼ぼうとしたが、お駒ちゃんは留守であった。先日からお針頭に住みこんでいるおしんが来て、芝と神田の祭礼で大口の注文があったと告げたので、磯五はますます上きげんになった。
「それでは、いつぞやの染めのこともあるし、私は一両日中に発足して、ちょっと京表のほうへ行って来ようと思うが――」
いっているところへ、お駒ちゃんが帰って来たとみえて、店のほうできいきいいう声が聞こえた。