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Japanische Klassiker mit Furigana

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こうせつきょうほうずえ

巷説享保図絵・つづれ烏羽玉

林 不忘

Lesen Sie 巷説享保図絵・つづれ烏羽玉 (こうせつきょうほうずえ) von 林 不忘 (はやしふぼう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 365.120 Zeichen · 728 Bildschirme

Aozora Bunko

焼け死にましてございます」

「その、びんざさらの火事でな」

「はい。王子権現境内の手妻使い、日本一太郎と申すものの掛け小屋に失火がございまして――」

「これこれ」忠相が、ちょっと声を高めると、次の間との襖を背に、ぼんやり控えて殿と木甚との会話を聞いていた用人の伊吹大作が、かしこまって、耳を立てた。忠相は、いや、お前ではないというように、ちらとそっちへ笑顔を向けて、木場の甚へつづけた。

「これ、気をつけてものを申せ。失火とは火を失う。過失、失態などと申して、すなわちあやまちである。その見世物小屋の火事はあやまちであったというのか。証拠は、あるか」

木場の甚は、にっこりした。

「証拠は、ございません。しかし、つけ火にしちゃあすこし腑に落ちませんので」

「放火ならば、何人か火を放ったものがあるであろう」

「それは、ございましょう」

「わかり切った話じゃ。何が腑に落ちん」

「はい、つけ火でないといたしますと、あまり都合のいいときに燃え出しましたようで。はい、何のことはないまるで、磯屋五兵衛を焼き殺すために――」

「はて。だから、放火にきまっておる」

「つけ火といたしますれば、下手人を出さねばなりませぬ」