Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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こうせつきょうほうずえ

巷説享保図絵・つづれ烏羽玉

林 不忘

Lesen Sie 巷説享保図絵・つづれ烏羽玉 (こうせつきょうほうずえ) von 林 不忘 (はやしふぼう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 365.120 Zeichen · 728 Bildschirme

Aozora Bunko

「御冗談ではございません、といたしますと?」

「いって聞かそうかの」

「どうぞ。承わりとうございます」

「日本一太郎は、死んだのじゃ。近く死ぬようなことを申しておったに相違ない。死んだことにしておけ」

「は」

「死んだほうがよいのじゃ。高とやら申す、その娘のためにも」

「なぜでございましょう」

「父らしゅうない父であったことを今さとって、恥じているからじゃよ。しいて愛情を殺して、娘にもよそよそしくしておったことであろう。娘の妨げにならんように、身を隠したかったに相違ないな。

死んだものじゃ。すておけ、すておけ。身を殺し、また、娘の悪夫を殺して俗に申す腐れ縁、それから娘を解き放したのじゃよ。見上げた分別じゃ。ほめてやれ。が、ほめてやりとうても、仏であったな。あははは、拝んでやれ」

木場の甚はにっこりして、その笑顔を隠すためのようにうつむいた。が、忠相は、すばやくみつけて、

「笑いおるな、そろそろ参るぞ。よいか。ここにひとり、白髪あたまの、他人の頭痛を苦に病むことを稼業にしておるおやじがおると思え」

「へ」

「日本一太郎と計らって、はじめから筋を編んだな」

「――」

「まず、日本一太郎の手品というに眼をつけたな」