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Japanische Klassiker mit Furigana

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こうせつきょうほうずえ

巷説享保図絵・つづれ烏羽玉

林 不忘

Lesen Sie 巷説享保図絵・つづれ烏羽玉 (こうせつきょうほうずえ) von 林 不忘 (はやしふぼう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 365.120 Zeichen · 728 Bildschirme

Aozora Bunko

もちろん、最初妻恋坂へ寄るつもりで、明神下へさしかかったところが、一軒の縄暖簾が眼についた。好きな道。す通りはできない。どうせ帰りは夜になる、使い先だが、まあ一杯ぐらいはよかろうとはいりこんだのが、ついに二杯三杯と腰がすわって、久七すっかりいい気持ちになってしまった。

で、品物をあべこべに届けたのだ。

さあ、驚きあわてた閑山、しかってみたところでおっつかない。朝になるのを待ちかね、自身妻恋坂へ出かけてゆうべの粗忽を謝し、あらためて花瓶を渡して、さて、鎧櫃を下し置かれましょうと申し入れると、

鎧櫃! そんな物は知らぬ。さらに受け取った覚えがない。

――というきつい挨拶。頭からかみつくようにどなられて、閑山すごすごと引き取って来た。

しかし、酒こそ呑むが、久七は長年勤めた忠義者、まさかに嘘をついているものとは思われない。そうすると、やっぱり鎧櫃は饗庭の屋敷へ行っているのだろうが、そんなら気軽に渡してくれてもよさそうなもの。それをああ剣もほろろにしらを切るとは、どうも変だ。

こう考えて来ると、閑山いても立ってもいられないのでふだんは毛虫のようにきらっている岡っ引きのところへ、鎧櫃の取りもどし方を頼みに来たのだ。