Japanische Klassiker mit Furigana
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こうせつきょうほうずえ
巷説享保図絵・つづれ烏羽玉
林 不忘
Lesen Sie 巷説享保図絵・つづれ烏羽玉 (こうせつきょうほうずえ) von 林 不忘 (はやしふぼう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 365.120 Zeichen · 728 Bildschirme
よかろう。面白い。またいい目が出ないものでもないからな」
里好はがっぱとはね起きると、今眼がさめたという形。
「あああうあ!」と、両手を張ってのんきなあくび、別人のような大声。「ああよく眠った。あっはははは」
「ほんとによくお眠みになりましたねえ」
女も即座にけろりんかんとよそ行きの口調に返っている。
「面目ないが、何か寝言でもいいましたかえ」
「いいえ。べつに。ほほほ」
と要領を得ている。
「そうですかえ。とにかくまあ、かぎつけられた巣に長居をすることはない。そろそろお出ましということに。――いや、これは暗いな。なあに、灯はいらない。からだ一つ持ち出せばいいので。はて、と。――この辺に矢立てが――お! あった、あった。これでこのへんのところへこう一つ――」
何一つ盗まれる心配はないから、家の中なんかそのままにして二人はさっそく土間へおりた。
外部からしめた障子へ、手探りながら筆太に何かすらすらとしたため終わると、里好は女を促して悠然とめっかち長屋をあとにした。
行く先は奇怪至極な井底の集会所。
大股に肩を振って行く里好宗匠のあとから、両袖を胸へ重ねたお蔦が、白い素足を内輪に運ぶ。