Japanische Klassiker mit Furigana
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こうせつきょうほうずえ
巷説享保図絵・つづれ烏羽玉
林 不忘
Lesen Sie 巷説享保図絵・つづれ烏羽玉 (こうせつきょうほうずえ) von 林 不忘 (はやしふぼう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 365.120 Zeichen · 728 Bildschirme
いわばこれ、今日という日はいろは屋文次の大吉日だったが――。
お蔦――はもう網の中の魚である。
いつでもとれると思ったので、即座に手を下さずに来たのだが、一つには里好もともども器用に挙げてしまいたかったからで、また、踏み込む前に、念には念を入れてお蔦という女をもう少し洗ってみたい文次一人の心持ちもあった。半当てずっぽうにしょっぴいて来て「さあ、申し上げろ。申し上げねえか」と番屋の薄縁へこすりつけるのは、文次の手口ではなかった。
だからいろは屋文次はめったにお縄をしごかなかった。が、一度しごけば、それは必ず大きな捕親として動きのないところであった。
お蔦は俺の掌の内だ。明日にでも御用にしよう――。
文次はにっとして、聞き耳を立てた。
津賀閑山が何かじめじめいい出したからである。
「全く識らない女でございますよ。はい、お手先らしい男に追われて店へ飛び込んで来ると、突然、あの鎧櫃を買って自身ではいりましたんで、まことに藪から棒のようなお話ですが、真実真銘、この白髪頭に免じて――」
手先らしい男――? と文次が小首をかしげると、猫侍のかれ声だ。
「さようなこと聞く耳持たぬ。