Japanische Klassiker mit Furigana
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こうせつきょうほうずえ
巷説享保図絵・つづれ烏羽玉
林 不忘
Lesen Sie 巷説享保図絵・つづれ烏羽玉 (こうせつきょうほうずえ) von 林 不忘 (はやしふぼう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 365.120 Zeichen · 728 Bildschirme
おぬしはまだ若い。若いから一本調子だ。だがな篁、世の中はそうむきになってもいかんものだぞ。
なるほど、書を読み眼を開いて大勢を観ずる者、誰しも一意向、一家言を有するのは当然だ。それによって討幕もよい。勤王も面白かろう。佐幕もまた妙じゃ。が、しかしなあ、世のことおおむね理屈ではない。まわりまわって帰するところ、要するにこの身一個のやりくりだ。な、篁、そうではないか」
「えいっ! この期に及んで何を――」
「まあ、聞け。斬るのはいつでも斬れる。それよりも心の持ちようだ。思い詰めれば何事も途のふさがるものだが、一転機に立って勘考方を変えてみれば、なんだつまらねえ、何もやきもきすることはない。他人は他人、自分は自分だ――さ、こうなると、身辺洋々として春の海のごとし。なあ、要するに融通一つだよ。当節の世の中だな。武士といえども御他聞にもれずさ。利口になれ、利口に」
「ちっ! 変心に理を構える見苦しさ。遊佐!」守人の声は友情に泣いていた。「遊佐! お、おぬし、魔がさしたか。剣をとっては里見先生の道場に、そ、その人ありと知られたおぬしではないか――」
「いうな。昔のことだ」