Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
ばくまついしんかいこだん
幕末維新懐古談
高村 光雲
Lesen Sie 幕末維新懐古談 (ばくまついしんかいこだん) von 高村 光雲 (たかむらこううん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 4.467 Zeichen · 9 Bildschirme
そうして知らん顔をして店へ来て仕事をしておりました。
暫くすると、台所の方で、お勝さんの声で怒鳴っております。何を騒いでいるかと耳を立てると、案の条、鼠入らずの中の刺身がなくなっていることを問題にしているらしく、「あの畜生だ、あの泥棒猫の仕業だ」と怒っている。師匠の家にも三毛猫が一匹いるが、裏口合せの長屋の猫が質が悪く、毎度こちらの台所を荒らすところから、疑いはその猫に掛かっている様子であります。私は心におかしく、なかなか名案だったと思いながら、なお、台所の方へ気を附けていると、また暫くしてから、台所でガタピシと大変な物音がします。何んだろうと窺いて見るとお勝さんが、疑いを掛けたその裏長屋の泥棒猫を捉まえて、コン畜生、々々といって力任せに鼻面を板の間へ※り附けております。物音を聞いて、師匠も其所へ立ち出で、様子を聞き「それはお勝、お前が手落ちなんだ。そんなに手荒らにしなさんな。もう好いから許しておやり」などなだめている。
「いえ、いけません。此奴がお刺身を奪ったんです。以後の見せしめに、こうしてやるのです」
と、また鼻面をいやというほど猫は※られておりますから、私は、どうも甚だ恐縮……不埒な奴はその猫ではなく、悪戯半分の手細工は自分なので、何んとも早気の毒千万、猫に対して可愛そうで、申し訳がないような立場、