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Japanische Klassiker mit Furigana

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ばくまついしんかいこだん

幕末維新懐古談

高村 光雲

Lesen Sie 幕末維新懐古談 (ばくまついしんかいこだん) von 高村 光雲 (たかむらこううん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 4.467 Zeichen · 9 Bildschirme

Aozora Bunko

少し変った思い出ばなしをします。鼠の話を先にしましょう。

私が十五、六歳の時です。師匠の手元にいて、かれこれ二、三年も稽古をしたお蔭で、どうやら物の形が出来るようになって来ました。それで、そろそろ生意気になって、何か自分では一廉の彫刻師になったような気持で、師匠から当てがわれた仏様の方をやるのは無論であるが、それだけではたんのう出来ないような気持で、何か自分の趣向を立てたもの、思い附いたものを勝手にやって見たいという気が起って来る。もっとも、こういうことは、師匠の眼の前で実行してはお叱りを受けますから師匠の眼に留まらないような時を見て、朝がけとか、夜業のしまいとかいう時にコッソリといたずらをするのであります。

けれども、まだ初心のこととて、自分の腕に協いそうなものでなければ手が附きません。そこで思い附いて彫り出したのが鼠であった。

それはちょうど実物大の鼠を実物をお手本にする気で考え考え、コツコツと彫り出しましたが、彫り上げて見ると、どうやら形になったような気持……それは檜の材でありますから、真白であるのを、本当の鼠を行くのであるから、自分で考えてちょうどな色をそれに附ける。