Japanische Klassiker mit Furigana
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へいぼん
平凡・私は懐疑派だ
二葉亭 四迷
Lesen Sie 平凡・私は懐疑派だ (へいぼん) von 二葉亭 四迷 (ふたばていしめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 81.548 Zeichen · 161 Bildschirme
何となく世の中が悲観されてならん。友人等は「遊」ぶ時には大に「遊」んで、勉強する時には大に勉強して、何の苦もなく、面白そうに、元気よく日を送っている。それを観ていると、私は癪に触って耐らない。私の煩悶して苦むのは何となく友人等の所為のように思われる。で、責めてもの腹慰せに、薄志の弱行のと口を極めて友人等の公然の堕落を罵って、而して私は独り超然として、内々で堕落していた。若し友人等の堕落が陽性なら、私の堕落は陰性だった。友人等の堕落が露骨で、率直で、男らしいなら、私の堕落は……ああ、何と言おう? 人間の言葉で言いようがない。私は畜生だった……
が、こっそり一人で堕落するのは余り没趣味で、どうも夫では趣味性が満足せぬ。どうも矢張異性の相手が欲しい。が、其相手は一寸得られぬので、止むを得ず当分文学で其不足を補っていた。文学ならば人聴も好い。これなら左程銭も入らぬ。私は文学を女の代りにして、文学を以って堕落を潤色していたのだ。
私の謂う文学は無論美文学の事だ、殊に小説だ。小説は一体如何いうものだか、知らん、唯私の眼に映ずる小説は人間の堕落を潤色するものだ。