Japanische Klassiker mit Furigana
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へいぼん
平凡・私は懐疑派だ
二葉亭 四迷
Lesen Sie 平凡・私は懐疑派だ (へいぼん) von 二葉亭 四迷 (ふたばていしめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 81.548 Zeichen · 161 Bildschirme
う六かしい事は分らぬから、己はもう何にも言わぬ、お前の思う通りにしろだが、東京へ出てから二年許りの間に遣った金は、地所を抵当に入れて借りた金だ。己は無学で働きがないから、己の手では到底も返せない。何とかしてお前の手で償却の道を立て呉れ。之を償却せん時には、先祖の遺産を人手に渡さねばならぬ。それではどうもお位牌に対しても済まぬから、己は始終其が苦になっての……と眼を瞬かれた時には、私も妙な心持がした。で、何にも当はなかったけれど、其式の負債は直き償却して見せるように広言を吐き、月々なし崩しの金額をも極めて再び出京したが、出京して見ると、物価騰貴に付き下宿料は上る、小遣も余計に入る、負債償却の約束は不知空約束になって了った。その稍実行の緒に就いたのは当り作が出来てからで、夫からは原稿料の手に入る度に多少の送金はしていたけれど、夫とても残らず負債の方へ入れて了うので、少しも家計の足しにはならなかった。父は疾うに県庁の方も罷められて、其後一寸学校の事務員のような事もしていたが、それも直き又罷められて全く収入の道が絶えたので、父も母も近頃は心細さの余り、遂に内職に観世撚を撚り出したと云う。