Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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へいぼん

平凡・私は懐疑派だ

二葉亭 四迷

Lesen Sie 平凡・私は懐疑派だ (へいぼん) von 二葉亭 四迷 (ふたばていしめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 81.548 Zeichen · 161 Bildschirme

Aozora Bunko

と笑っていたが、私が何時迄経っても眼を瞑っているので、「本当にお眠いのにお邪魔ですわねえ。どれ、もう行って寐ましょう。お休みなさいまし」と、会釈して起上った様子で、「灯火を消してきますよ」という声と共に、ふッと火を吹く息の音がした。と、何物か私の面の上に覆さったようで、暖かな息が微かに頬に触れ、「憎らしいよ!」と笑を含んだ小声が耳元でするより早く、夜着の上に投出していた二の腕を痛か抓られた時、私はクラクラとして前後を忘れ、人間の道義畢竟何物ぞと、嗚呼父は大病で死にかかって居たのに……

六十

翌朝は夙く発つ積だったが、発てなくなった。尾籠な事には自ら尾籠な法則が有るから、既に一種の関係が成立った以上は、女に多少の手当をして行かなきゃならん――と、さ、私は思わざるを得なかった。見栄坊だから、金が無くても金の有る風をして、紙入を叩いて遣って了うと、もう汽車賃も残らない。なに、父はまだ危篤というのじゃなし、一時間や二時間発つのが後れたって仔細は無かろうと、自分で勝手な理窟を附けて、女には内々で朝から金策に歩いたが、出来なかった。昼前に一寸下宿へ帰ると、留守に国から電報が着いていた。